学習用にESXiサーバを安く構築する(その3)
現時点では下図のようにストレージが割り当てられていないため、このままでは何もできない。
エントリモデルのNFS対応NASを購入しようと考えていたが、インストール時に内臓SATA HDDを認識していたので、Windows 7のD:ドライブとして割り当てられているパーティションを縮小して空き領域を作成し、それをESXi用のストレージとして割り当てられないかと考えた。
なお、VMwareとしてはSATA HDDをESXiで正式対応とは謳っていない。
vSphere Clientで試して見る
上記画面で「今すぐストレージを追加するには、ここをクリックしてデータストアを作成...」をクリックすると、「ストレージの追加」ウィザードが開始されるが、手順を進めて行くと以下の恐ろしい画面が表示される。
すべての利用可能なパーティションが使用されます この構成は、現在のディスクレイアウトを削除し、ファイルシステムを変更してパーティションテーブル形式を変更します。すべてのファイルシステムおよびデータは完全に削除されます。 |
このまま進めれば、Windows 7の入っているパーティションも含め、HDD全体がESXiのストレージになってしまうようなので、空き領域のみをESXiのストレージに割り当てる方法を探して見た。
ESXi Shellを有効にする
vSphere Clientではできない細かい操作はvCLIに含まれるので、そのvCLIが利用できる環境としてESXi Shellを使用するために、以下の手順でESXi Shellを有効にした。
- 起動画面でF2キー(Customize System/View Logs)を押下し、「Troubleshooting Options」を選択し、Enterキーを押下。
- 「Enable ESXi Shell」を選択し、Enterキーを押下。
- 画面右側の表示が「ESXi Shell is Enabled」に変わったのを確認し、Escキーを押下。
- 「System Customization」画面に戻ったら、Escキーを押下し、起動画面に戻る。
ESXi Shellを開く
ESXi ShellはAlt+F1キーで表示できる。
起動画面(DCUI)はAlt+F2キーで表示できる。
パーティションの追加
ESXi Shellにrootでログインし、以下のコマンドを実行する。
# ls /dev/disks/ mpx.vmhba32:C0:T0:L0 mpx.vmhba32:C0:T0:L0:1 mpx.vmhba32:C0:T0:L0:5 mpx.vmhba32:C0:T0:L0:6 mpx.vmhba32:C0:T0:L0:7 mpx.vmhba32:C0:T0:L0:8 t10.ATA_____Hitachi_HTS547575A9E384_______________________J2140054K84VLA t10.ATA_____Hitachi_HTS547575A9E384_______________________J2140054K84VLA:1 t10.ATA_____Hitachi_HTS547575A9E384_______________________J2140054K84VLA:2 t10.ATA_____Hitachi_HTS547575A9E384_______________________J2140054K84VLA:3 〜
上記「t10」で始まるのが、SATA HDDであり、現在3つのパーティションが存在することが分かる。
1つ目はプリインストールOSのリカバリ用、2つ目はWindows 7のシステムドライブ、3つ目は縮小したデータ用のパーティションである。
以下のコマンドを実行し、4つ目のVMFSパーティションを追加する。
なお、下記の { } で囲まれた部分が入力するものである。実際に { } が表示される訳ではない。
# fdisk /dev/disks/t10.ATA_____Hitachi_HTS547575A9E384_______________________J2140054K84VLA 〜 Command (m for help): {n} Command action e extended p primary partition (1-4) {p} Selected partition 4 First cylinder (xxxxx-yyyyy, default zzzzz): {Enter} Last cylinder or +size or +sizeM or +sizeK (aaaaa-bbbbb, default ccccc): {Enter} Command (m for help): {t} Partition number (1-4): {4} Hex code (type L to list codes): {fb} Command (m for help): {w} The partition table has been altered. Calling ioctl() to re-read partition table
VMFSパーティションのフォーマット
以下のvmkfstoolsコマンドを入力し、上記で作成したパーティションをフォーマットする。
# vmkfstools -C vmfs5 -S internal_sata_part4 /dev/disks/t10.ATA_____Hitachi_HTS547575A9E384_______________________J2140054K84VLA:4
その後、vSphere Clientで確認すると、以下の内容が表示される。
これで、取り敢えず200GBのストレージを用意することができたので、学習環境が整ったと言える。